「井戸の前になぜ稲荷があるのか」という問題ですが。
井戸と屋敷神の問題として追及すると、どうして井戸の神様は水神であり稲荷では無くなってしまいます。まあこのあたりで途方に暮れてしまうわけですが。
実は1つの盲点がありました。
一般論として井戸を追求するのは間違っていました。
本当に意味があったのは「(江戸の)長屋」。
長屋には「井戸、稲荷、共同便所、ゴミ箱」等がワンセットで付随するのが定番だったようです。
だから、井戸の前に稲荷があるのは「井戸のパターン」ではないが「江戸の長屋のパターン」だったわけです。
ちなみに、水道歴史館の場合、稲荷の後ろがトイレですが、このパターンに従えば奇異では無いことになります。そもそも、これらは全てワンセットなのですから。
余談 §
深川江戸資料館も井戸の前に稲荷があるようです。
上野の下町風俗資料館は井戸と稲荷が別々に作られているようですが、こちらは江戸では無く大正の街並みの再現なので前提が違います。